赤い箱、それはみんな持っていて、私だけが持っていない箱だった。
持っていないことは嫌じゃなかった。
でも、持っていないと思うことや、持っていないと思われることが嫌だった。
青い箱、それは憧れだった。
いつかこの青い箱を手に入れたい、そう思った。
何色だったかな?
大きくなった今、その青い箱には興味が薄れていた。
オレンジの箱、その箱の横を通るたび
いつかは!と目標にしていた。
オレンジの箱の存在を忘れた頃、
私はオレンジの箱を手に入れていた。
もしかしたら・・・もしかすると
あの頃目標にしていたオレンジの箱よりも素敵な箱かもしれない。
虹色の箱、誰にも見られたくなかった箱。
今なら胸を張って見せることができる。
白い箱、からっぽの箱。
何を入れよう。
そして何色に染めよう。